「宗論は、いずれが勝っても釈迦の負け」
を地でいくようは狂言、その名も「宗論」です。
本当に久しぶりに勤めました。
法華宗の僧と浄土宗の僧が、それぞれの聖地から帰る道で出会い、自分の宗旨こそ正しいと主張して互いをけなしあうこと40分。
遂には踊り念仏には踊り題目で張り合い、ヒートアップした果てには互いの念仏と題目を取り違え、漸く我に返って本義を思い出すというお話です。
両人とも大役ですが、浄土宗の僧がシテと定まっております。
法華僧の激しい気性をやり過ごしてからかうヤラシーいキャラです。
法華=火の玉
浄土=粘着質
というのは、当時からのステレオタイプなのでしょうか。
今日勤めたのはアドの法華僧。
激しい性格を型や声に表現しますが、荒くなっては山伏になってしまいます。
この辺が難しいところです。
浄土僧が「寝佛者を致そう」と寝入ったのに対抗して「寝法華を致そう」と横になる場面があります。ここで選択肢として、飛び上がり様に空中で横になり、そのまま落下する型があります。能「邯鄲」で同様の型をなさる流儀もありますのでご存知の方もあるかと思います。
前回勤めた後「何でやらなかったんだよ、若いうちにやっとかないと」とアドバイスを受けましたので、今回は挑戦してみました。
勿論、本質には少々外れるある種のケレンですのでぶっつけ本番。
肘をぶっつけました。
痛いです。
滅多に勤める機会がないところ、ありがたいことに来月はシテの浄土僧を勤める機会を得ました。